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90: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ ID:m4ljULri0
知り合いの話。

彼の田舎には、溜め池が数多くあったのだという。

中に一つ、どうにも不気味な沼があった。

村外れの山中にあるその沼は、勝手に入れないよう周囲を鉄条網で囲ってあり、入口は鎖で施錠されていた。

子供達は「ここで遊んではいけない」ときつく大人たちから言われていた。

元よりそこは気味の悪い場所だったので、地の者は誰も近よらなかった。


しかし、そこでは毎年のように溺死者が出た。

決まって八月になると、水面に浮かんだ遺体がみつかったらしい。

なぜか他の土地の者ばかりだったので、村で長く話題になることはなかった。


高校に上がる頃、彼と友人たちはおかしなことに気がついた。

八月のある期間だけ、沼の入口の鎖が解かれているのだ。

まるで入ってくださいとでも言わんばかりの光景に、違和感を覚えたという。

あれじゃ事情を知らない余所者は入っちゃうよと思ったが、大人に伝えても、気のない生返事が返ってくるだけだった。

彼が高校を卒業する年、村長のまだ幼い孫娘がそこで溺れ死んだ。

後で知ったのだが、村長の家がその沼のある土地を管理していたらしい。

発見者の言によると、入口の鎖は解かれていたのだと。

季節は晩秋。八月ではなかった。

100: 本当にあった怖い名無し ID:Ol45A4EH0
>>90
怖い…水自身が意思をもっているような…

91: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ ID:m4ljULri0
(続き)

変わり果てた孫を抱えて慟哭する村長を囲んで、大人たちがボソボソと話す中に、気になる内容があったという。

「毎年毎年、餌やるような真似をするからだ」

「水のくせに増長しやがる」

結局、誰が鎖を解いたのか、どうして孫娘がその沼に出向いたのか、そこのところは不明のまま。

その事故からしばらくの間、村長が沼の側で見かけられたそうだ。

巡回していた青年団の者が何度も見たという。

村長はブツブツ呟きながら、長い竹竿で沼の水中を掻き回していたらしい。

ちなみにその当の村長が溺れることはなかった。


現在、沼は埋め立てられて更地にされ、売地の看板が掲げられている。

周りの鉄条網はなぜかそのまま残されているそうだ。

いつまで経っても、買い手がつく様子はないという。


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95: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE ID:bwwLngit0
雑木林の中、小さな流れに沿って歩いていくと、こじんまりした岩場に出る。

流れを外れた葉の下や、木の幹にまでその姿を見かけるほど蟹が多く、その蟹の味わいも楽しみの一つだった。

雑木林に向かう途中、村道を歩いていると、多くの家の前に藁束を燃やした灰が盛り上がり、そこかしこで線香が匂った。

その時期に訪れたのは初めてだったが、盆や彼岸でもないのに線香が焚かれているのが不思議で、興味深かった。

元々あった土着信仰が仏教と混交し、こうした行事を生んだのだろう。


畑の真ん中や、ちょっとした木陰にある、小さな墓地には竹ざおが立てられ、その先端から長く白い紙が垂れ下がり、風に吹かれて揺れていた。

その墓地に眠る人の数と同じだけの本数、竹ざおが立てられているのかもしれない。

道路端、唐突に立てられた竹ざおもあり、何束かの線香が煙を上げ、周囲をいぶしている。

この調子では、すっかり線香臭くなって帰る事になりそうだ。

96: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE ID:bwwLngit0
雑木林が近付いた。

林の中、白く長いものが垂れ下がり、揺れているのが見えた。

林の中、霞か霧のように見えるのは、線香の煙に違いない。

白く揺れる紙は、数え切れないほどある。

そして、火事にでもならないかと心配になるほど、大量の線香が焚かれていると思われる、煙の密度。

墓石も何もないが、おそらく、あの林は由緒ある大きな墓地なのだろう。

俺が知っている中で、昭和50年代の終わりごろまで死者を土葬していた村がある。

この村では、いつごろまで土葬していたのだろう。

そして、旨いとしか言いようのない蟹の味。


棺桶に収めて埋葬した死体を、蟹は食うだろうか。

直接は食わないだろうと思いつつ、それでも、土に帰る死体の何がしかの養分が、雑木林の食物連鎖のどこかに関わっている事は、容易に想像できた。

その後も、その雑木林を抜け、岩場へ遊びに行っている。

林では頭を下げ、足音をさせないよう気を付けている。

無論、蟹を捕えたりなどせず、飯粒や、揉みつぶしたパンなどを少しだけ与えている。

98: 本当にあった怖い名無し ID:hProor+1O
>>96
海怖でたびたび話題になるドザエ門に群がるシャコの話し思い出しちまった・・・
(((゚Д゚;)))ガクブル
153: 本当にあった怖い名無し ID:a4P+8Mfj0
これは人に聞いた話。


その地方では、春に田の神様となって里に下りて来られた山の神様を、秋に我が家にお迎えし、正月に歳徳神になって山へ戻られるまでお世話する。

そして、田の神様をお迎えに行く朝、夜明け前のまだ暗い頃に、部屋の中にシャラシャラ…と神社の巫女さんが持つ鈴の音にも似た、稲穂を振る音がする年がある。

時にはさりげなく、時には舞うように、それは姿を見せぬまま家の中を通り過ぎて行く。

そんな時は、夜が明けて、家の主人が釜と朸(おうご)を持ち、田の神迎えの為に残しておいた12株の稲穂を刈りに行くと、稲穂がぱったり倒れてしまっている。

例年ならしゃっきり立っているのだが。

「でもね、それは吉兆なんだ。その年はね、家族が増えるんだ。稲の倒れた方向にね」

教えてくれた人はそう言ってニコニコ笑っていた。

157: 本当にあった怖い名無し ID:zA6mBCGi0
>>153
雰囲気のあるいい話だなあ。

検索すると、朸(おうご)=天秤棒、だな。釜は鎌の誤記で、主人は田んぼで稲を刈った後、天秤棒の前後に稲束を振り分けて固定して、その中央を担いで帰るんだろうな。

最初状況がよく理解できなかったので、頑張って調べて注釈を付けて見ました。蛇足失礼。

257: N.W ◆0r0atwEaSo ID:dOgnEP2h0
>>157さん
俺の言葉足らずな部分を補なって頂き、ありがとうございました。感謝します。

稲の倒れた方向に家族が増えると言うのは、稲が倒れ、稲穂の先が向いた方向に嫁取・婿入があったり、赤ちゃんが生まれる、との事です。解りづらくてすみませんでした。

他の神様の話を聞いてから、どう言う訳か、他人から不思議な話を連続して聞きました。言霊は言霊を呼ぶのかな?

159: 本当にあった怖い名無し ID:2GKEDuXn0
>>153
稲の倒れた方向に家族が増えるというのはどういう意味ですか?

161: 本当にあった怖い名無し ID:ZZzO9sztO
>>159
家族が増える=赤ちゃんが生まれる
じゃないの?





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